──近い、ってどれくらい?
「約4光年です。光の速さで4年ですね」
──というと、地球からロケットで行くとなると、どれくらいの時間がかかるんでしょうか。
「いまの地球の科学技術だと、何百年もかかるでしょう」
──全然近くないです!
「でも、宇宙の規模からするととても近い距離なんです。“プロキシマ”とは“ご近所”という意味なんですよ」
──ご近所に地球に似たような惑星があるのなら、そこに住む宇宙人が地球にやってきている可能性もありますね。
「その惑星の科学技術が地球よりずっと発達していて、例えば光速の25%くらいの速さで移動できるとしたら、10数年くらいで地球に来ることができる可能性もあります」
ホーキング博士も警告していた
──10数年も宇宙船に乗って来るのは大変ですよね。
「そこまで苦労しても地球に来る魅力があるのかもしれませんよ。例えば、石油や石炭などのエネルギーや、自分の惑星にはない珍しい食べ物、人間を労働力として収奪したり……」
──えぇっ! 怖い~。
「ホーキング博士は生前、宇宙人と接触しないよう強く訴えていました。それは地球の過去の歴史の教訓として、科学技術力が上の文明が、下の文明を滅ぼして収奪してきたことを念頭に、同じことが宇宙人と地球に起きると考えていたんです」
─宇宙大戦争が起こる可能性もあるってことですか? 「もっとも、地球の資源を収奪するまでもないくらいに経済的に豊かで、相当に科学技術が進んでいるとしたら、研究目的や観光のために来ているだけかもしれませんよね」
──ご近所からだけではなく、ものすごく遠くの惑星からも信じられないような技術で地球に来ている可能性は?
「ありますね。“ブラックホール”という言葉はよく知られていますが、これはアインシュタインの一般相対性理論に基づいたもので、いわば宇宙の時空にあいた穴。ありとあらゆるものを吸い込む重力をもっており、すでに宇宙ではブラックホールと思われるものが実際に発見されています。
これと反対に、ありとあらゆるものを吐き出す穴“ホワイトホール”の存在も考えられています。このブラックホールとホワイトホールをつなぐトンネル“ワームホール”があれば、ワープも可能といわれています」
──まさにSF映画の世界!
「ただ、ワームホールはいまの地球の技術ではつくることができません。とても強い圧力がかかるため、トンネルの真ん中が崩落してしまうような形になってしまうんです。非常に強い物質でトンネルを支える必要がありますが、このような物質は地球にはありません。でも、ほかの惑星など宇宙のどこかに存在する可能性はあります」