アイドルが、今以上にもてはやされた時代。10代でデビューした4人は、その先の人生を当時、どう思っていたのか―?

布川 ずっとはやっていけないと思ってましたよ。俺、18歳のときに事務所に“辞めます”って言ったから。

森尾 それ、早くない!?

松本 だって、デビューしたのは16歳でしょ?

布川 15歳で事務所に入ったけど、デビューは16歳だね。

森尾 18歳って、『シブがき隊』のとき?

布川 そう。3人のとき。1年間、ドラマ『仙八先生』に出演してから『シブがき隊』を'82年に結成して。でもさ、アイドルってそんなに長続きするものだとは思ってなくて。18歳のときに“すみません、辞めます”って。

浅香 それはジャニーさんに言ったんですか?

布川 んー……。まず部長だったかな。そのとき俺、親父の会社を継ごうと思っていたから。

松本 へぇー、それで事務所はなんて?

布川 まあまあまあ、って。そのあと温泉連れて行かれて、大人たちに丸め込まれて……(笑)。

森尾 そりゃあ、そうなるよ。

布川 18歳でまだまだ稼げると思っているからね。辞めさせてはくれなかったですよ。

森尾 私は20歳で辞めようと思ってた。当時はなんとなく、アイドルは10代までと思っていて。

森尾由美(撮影/佐藤靖彦)

布川 そうだよね。今ならジャニーズの人たちが30歳とか40歳までグループでやっているけど、当時はそんな人っていなかったから。

森尾 だから19歳、20歳で考えなきゃ、って。歌手でいくのか、女優でいくのか。それとも違う道なのか、なんとなく決めなきゃって。

浅香 私もそうですね。19歳くらいで、これからどうしようって悩んだ時期があって。実際、23歳で1回お休みしよう、って休業して。

森尾 え、休業したんだ。どれくらい?

浅香 結果として、4年半休みましたね。

松本 4年半!? けっこう休んだんだね。それは自分の時間がないから休ませて、みたいな感じ?

浅香 そうですね。