仕事の話になると、とたんにまじめな表情に 撮影/伊藤和幸

60歳って、素晴らし……い!?

 遠藤憲一がまもなく迎える60歳。“作り続けたい”と意気込む彼が思い描く、これからの人生とは。昨年、ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』(フジテレビ系)で共演した西郷輝彦(74)と撮影の空き時間に交わした、何げない会話を振り返る。

「いくつになるのかって聞かれたから、“今度60歳になります”って。そしたら“わっけーなぁ!”って西郷さんが驚いてたんですよ。俺としては“もう60歳だけど!?”って感じだったのに、西郷さんは“60歳ってのは最高だぞ! いちばんだよ60歳!”って言うから、“どんなふうに最高なんですか?”って聞いたの」

 このご時世、撮影現場ではフェイスシールドの着用が主流。もちろん、このときの2人もフェイスシールド越しの会話だった。

「それまではでっかい声で“わけーなぁ!”、“もう60歳ですよ!”ってやりとりしてたのに、最高な理由を聞いたら、まじめになっちゃってさ。何がどんなふうにいいのか話し始めたとたん、真剣に語ってくれたので声が小さくなって、肝心なところが何も聞こえなくて(笑)。え? って思ってたら、スタッフさんに“西郷さんお願いしまーす!”って呼ばれて、それっきり。60歳の素晴らしさを聞き漏らしちゃった。でも、西郷さんがそう言うんだから最高なんだろうね。何が起こるかなって、俺は期待してるんだ」

 お茶目なエピソードでその場を大笑いさせてくれた遠藤。生き生きと語ってくれた夢が叶(かな)う日が、心から待ち遠しい。彼が“最高”な60歳、60代を謳歌(おうか)することは間違いないだろう。

決めポーズもサマになる!遠藤憲一 撮影/伊藤和幸

(取材・文/高橋もも子)


【PROFILE】
えんどう・けんいち ◎1961年6月28日生まれ、東京都品川区出身。「エンケンさん」の愛称で親しまれ、コワモテな風貌を生かした悪役から、コミカルで愛らしい役どころまで幅広く演じ人気を博す。'01年公開の映画『DISTANCE』で第16回高崎映画祭助演男優賞を受賞。ほんわかとした日常をのぞき見できる自身の公式インスタグラム(@enken.enstower)も話題に。