山下清をモデルとしたテレビドラマ『裸の大将放浪記』では、おなかがすくたび出会う人におむすびをわけてもらうシーンが描かれている。

 幼少期に両親が他界したとウソをつき、「おかあさんが亡くなるときに、“清や、おなかがすいたら田舎に行って親切な人におむすびをもらって食べるんだよ”と言われました。おわり」などと同情を引くのがパターン。

 驚いた相手が「もらえなかったらどうするの?」と尋ねると、もらえるまで歩くから心配ないと言いきる。ドラマゆえに知的障害のある清の純粋さを浮き立たせる演出だろうが、前向きな姿勢には学ぶところがある。実像はそんなに世間知らずではないし、おむすびも好きだが寿司やかつ丼も好きだったらしい。(W)