庭園などで手を洗うところにある手水鉢のことを「つくばい」と呼ぶそうです。

 この言葉は、京都・龍安寺の茶室の前にあるつくばいに刻まれています。「われ ただ たるをしる」と読みます。龍安寺は石庭が有名ですが、このつくばいも有名で、つくばい目当ての観光客もいるそう。

 さて、その意味は「足るを知る」、つまり満足を知っている、転じて「満足を知る人になりなさい」ということ。

 人は欲深いもの。「もっと、もっと」と欲しくなるものですが、実はそれは誠に不幸なことであると説いているのです。ちょっとしたことでも満足する心を持つことで気持ちを乱すことなく平穏に過ごせるという教えです。

 私には、思い当たることがたくさんあります。ゴルフクラブだって新しいものが発売されるたびに途端に欲しくなったり……。戒めにして生きていきます。(文)