今年4月に亡くなった名優・田村正和さんの代表作であるドラマ『古畑任三郎』(フジテレビ系)。田村さん演じる古畑警部補が、鋭い推理と巧みな話術で殺人犯を自白に追い込んでいく様は痛快そのものです。

 中でもシーズン3の第5話「再会」は、犯人の逮捕ではなく“犯行の阻止”が目的となった異色作でした。津川雅彦さん演じる古畑の旧友が“ある犯行”に及ぼうとしていることに気づいた古畑が放ったのが、今回の言葉です。

 普段はひょうひょうとしている古畑が、口角泡を飛ばして旧友を説得する姿は、観る者の心を打ちます。なぜこんなことを言ったのか? まだの方はぜひご覧になってください。

 さすが稀代の脚本家・三谷幸喜。挫折した人への優しさとエールが込もった名ゼリフです。(知)