1980年代に人気を博した、大映テレビ制作のドラマ『スクール☆ウォーズ』。高校ラグビー界において、まったく無名の弱体チームが、元オールジャパンの教師を迎え7年間で日本一になった実話を元にした作品。

 劇中に何度となく上記の言葉が出てくる。主人公である滝沢先生は、赴任した川浜高校が地元でも有数のワルが通う学校で、ラグビー部も頽廃していてがっかりする。しかし、恩師の言葉を思い出し、不良生徒たちを「信じ、待ち、許してやる」ことを念頭に、ラグビーを通じて健全な精神を培っていく

 昭和の時代は「学園もの」のドラマが多く「熱血教師」もたくさんいた。

 高校時代の私の恩師は私が社会に出てすぐに他界したが、後日、ご自宅に伺うと、奥様から主人はいつも「生徒に教わることが多い。こちらが生徒の胸を貸してもらって成長している」と話をしていた、と教えてもらった。その先生は、決して熱血ではなかった。むしろ、高校生だった私たちを大人として遇してくれる人だった。私にとって忘れられない言葉になっている。(文)