三重苦を乗り越えた奇跡の人、ヘレン・ケラー。一見、「そんなの、あたりまえじゃん」と流してしまいそうな言葉ですが、盲ろう者でありながらも、世界各地を訪れ、病気や障害、差別に苦しむ人々の救済や、教育・福祉の発展に尽くした彼女が言うと、重みがまったく違ってきます。

 私は小学1年生のときにはじめて彼女の伝記を読みましたが、ヘレン・ケラーが置かれた、“目が見えず、音が聞こえず、思うように話すこともできない闇の世界”に自分がいることを想像したら、怖くって、悲しくって、ひとりでに涙が頬をつたったことを、今でも覚えています。

 ヘレン:ケラーにとっては、日常生活において、簡単にできることなど何ひとつなかったかもしれません。サリバン先生や、家族の支えがあったとしても、いつ自暴自棄になり、心を閉ざして引きこもってしまっても、おかしくなかったのでは、と思います。

 そんななかで、彼女は“諦めないこと”“とにかく続けてみること”によって、自分の人生を切り拓いていったんでしょうね。健康な身体があり、好きな仕事に就けていて、家族や友達も側にいて……。そんな恵まれた環境にいるにもかかわらず、「やりたいことは多いものの早起きがツラい」「痩せたいけれどジム通いは嫌」「このジャンルの取材は不得意だから……」などなど、苦手を克服することから逃げがちだった自分が、恥ずかしくなりました

 ヘレン・ケラーのように、困難なことに対しても音をあげず、自分の殻を破るための努力をし続けられる人間を目指したいものです。まずは、小さなことから。明日、7時に起きます!(なお、本日の起床時間は9時20分……)(横)