私は宇多田ヒカルの歌を聴くと、“孤独”という文字が浮かびます。それは他人とは決して分かり合えない悲しさであり、同時に絶対的にひとりであるという強さや美しさを感じるのです。

 彼女は「人のせいにできない仕事をやっていきたい」と言います。問題があっても誰かのせいにするのではなく、全て自分が納得した上で責任を取りたいということなのだと思いますが、ここでも作家としての“孤独の美学”を感じます。

 特にクリエイティブな仕事をする人にとっては、大きな指針になる言葉ではないでしょうか。「その仕事、なぁなぁになっていないか?」と自分に鞭を入れるような、カッコいい言葉だなと思います。(知)