私の40年の人生で苦しかったことを振り返ると、5年以上引きずった失恋、ブラック企業での労働、20社以上落ちた30代の転職活動、肉親の死去……ほか、細かいことを含めていろいろありました。もちろん、腑抜けた私よりもっともっと苦しい思いをしている人は世の中にゴマンといます。

 私なりに苦しみと向き合った期間はしんどかったですが、乗り越えたことで大きな経験になったし、逆に小さな幸せを感じやすくなったり、思慮を深めるきっかけになりました。

『ゲゲゲの鬼太郎』の作者・水木先生のこの言葉は、大きな手で背中をポンポンと叩いてくれているような温もりがあります。「苦しみ慣れ」というパワーワードは、戦争で片腕を失い、戦地で多くの仲間を見送った水木先生だからこそ言える言葉。私も苦しみすら自分の強さにして、喜びや幸せを貪欲に求めていくぜ! と前向きになれます。(知)