誰かと一緒に食べる食事はもちろん美味しいし楽しいですが、私は“ぼっち飯”も大好きです。

 ひとりなら気兼ねなく好きなものを食べ、真っ昼間からビールを飲み、誰にも邪魔されることなく自分のペースで料理を堪能することができます。

 数年前まで、「おひとりさま」という言葉には少し哀れみのニュアンスが入っていたと思いますが、令和の現在はかなりポジティブな意味で使われるようになりました。自分の楽しみなんだから、人からどう思われようと関係ない! という考えが浸透してきたのかと思うとうれしいです。

 そこへくると、松重豊主演のドラマでおなじみ『孤独のグルメ』(原作:久住昌之)の井ノ頭五郎は、ぼっち飯のプロ中のプロ。ふらりと訪れた街でいい店を見つけ出し、ひとり分のメニューを上手に組み立てて、見ているほうがヨダレを垂らすほど、美味しそうに平らげる。

 五郎の姿を見ていると、「生きることは食べること」だなぁと、原点に立ち返ったような気持ちになります。さぁ、新年も私なりの『孤独のグルメ』をキメにいきましょうかね。(知)