苦しいときや困ったとき、藁にもすがる思いで神様仏様に祈ったり、占いにハマってしまうことはよくあります。それは決して悪いことではないですし、救われたという人も多いはずです。

 でも、他者に頼ってその後の方向性を決めてしまうと、それがうまく行かなくなったとき、その頼ったもののせいにしてしまうという面もあります。自分で決めたことでないと、後悔もより大きいかもしれません。だからこそ、誰かの意見や指示を鵜呑みにせずに、あくまでアドバイスとして咀嚼して、自分の直感や考えを大事に決断することが重要だと思うのです。

 芥川賞作家・綿矢りささんの言葉は、そんなことを伝えてくれている言葉なのではないかと思います。これまでの人生や、してきた経験を卑下することなく、財産として大事にすることが、自分の力になると信じています。(知)