ビートたけしの師匠・深見千三郎さんの言葉。実家から家出した、たけし青年が身を寄せたのは浅草のストリップ劇場「フランス座」。そこで幕間のコントなどを仕切っていたのが、深見さんだった。

 そもそも踊り子さんの裸を目当てに来ているお客さん。幕間のコントに興味を示す人はいないだろう。それでも深見さんは、真剣にコントに取り組んでいたという。しかも、受けていた(!)というからすごい。

 私はこの言葉をたけしの著書『浅草キッド』で読んで知りました。言葉の背景に芸人としての「矜持」を感じます。Netflixで映画化されている同作品の中でも深見師匠役の大泉洋が同じセリフを吐いています。何をするにも「矜持」がないと続かないし、ブレてしまいますね。(文)