4年前の平昌冬季オリンピックの名場面といえば、ひとつはスピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒選手が滑り終えたあとにみせたジェスチャーだろう。

 14組で滑走した小平は36秒94の五輪レコード。沸き立つ観客席に向け、口元に人差し指を立てて静かにしてあげるようにうながした。次の15組でライバルのイ・サンファ選手(韓国)らが走るから。真剣勝負のすごみを感じさせる場面だった。

 いい滑りで銀メダルに輝いたイ・サンファ選手と抱擁して囁(ささや)いたとされるのがこの言葉。スポーツマンシップあふれる立ち振る舞いはメダルの色以上の感動を呼び寄せた。

 まもなく開幕する北京冬季オリンピックではどんな名場面が生まれるか、今大会にも出場する小平選手のレースとともに楽しみにしている。(W)