田中章義さんは大学1年生のとき第36回角川短歌賞を受賞。在学中から幅広い分野で作家活動を始め、卒業後は世界を旅しながらルポルタージュ、紀行文、絵本などを執筆。世界各地で詠んだ短歌が英訳され、2001年には世界で8人の国連WAFUNIF親善大使に選ばれた。

「地球版・奥の細道」を編みたいと思い、世界各地の「歌枕」を探す旅をしている途中、田中さんは、世界で古くから語り継がれている“言葉の世界遺産”ともいうべき言葉に興味を持ったのだそう。20年以上にわたって続けた旅の成果が『世界で1000年生きている言葉』(PHP文庫、2012年)。

『世界で1000年生きている言葉』(田中章義/PHP文庫) ※画像をクリックするとAmazonの紹介ページに飛びます。

 今回はその中から、エチオピア連邦民主共和国で出合った言葉。

〈百五十の詩篇よりも心の誠実さ〉

 感動的な詩篇をいくら暗記していても、まごころや誠実さがなければ、使いこなすことができない、という意味だ。(DD)