「丁寧な暮らし」はハードルが高い。私には無理だわ(鼻ホジ)。

 家ではとにかくズボラ、収納は大の苦手でインテリアも適当な私は、ずっとそう思っていました。

 でも仕事での悩みごとが重なり、ワーッとパニックになってしまったとき、逃げ込んだ書店で偶然手に取った内田彩仍さんの『重ねる、暮らし』(PHP文庫)を読んで、考え方が変わりました。

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 内田さんはナチュラルで丁寧な暮らしぶりやセンスある着こなしが雑誌で紹介され、人気を集めるカリスマ主婦。夫と愛猫との暮らしをつづったエッセイ本が数多くあるのですが、たまたまおしゃれな装丁が気になって購入してみたのでした。

 その根底には、「暮らしをおろそかにしている」という負い目もあったと思います。私は仕事に追われると、どうしても他のことを後回しにして帳尻を合わせてしまいます。でも、そうすると家のことや家族と向き合う時間も自然となくなってしまう。

 でも内田さんは違いました。幸せに暮らす基本は「暮らし方」にあると示されていました。きれいに整った収納、掃除の行き届いた部屋、アイロンがピシッとかかった布類……。家族を思ってそうした暮らしの「かけら」を積み重ねるとともに、自分の心が乱れないようにしているのだそうです。

 コロナ禍で家にいる時間が長くなりましたが、家の中が散らかっていると疲れも増してしまうんだと、初めて気づくことができました。リモートで仕事をしていて煮詰まったら、床掃除をしてみる。そんなふうに内田さんを少しまねしてみることで、いいリフレッシュができてると感じます。

 根がめんどくさがり屋なので、内田師匠のような「丁寧な暮らし」には人生かけても届かないかもしれないけれど、自分のできる範囲内で、エッセンスをちょっとだけ拝借しようと思っています。(知)