大手広告代理店を舞台に、葛藤を抱えながらも仕事に奮闘する大人たちを描いた大人気漫画『左ききのエレン』

 冒頭のセリフは、主人公・浅倉光一が、上司の神谷からかけられた言葉です。今月、締め切りが何本も重なり、さらには体調不良やプライベートでの問題が頻発し、なかば心が折れそうになったときに、この一言をふっと思い出しました。

 気になって前後のやりとりを読み返してみると、もうなんか、涙腺崩壊。“プロ意識”って、まさにこういうことだな、と。

「光一…万全の態勢ならもっと早く良いのできるか?」

「そ…そりゃもちろん」

「万全なんて一生こねぇぞ

 体調最悪でも 2日寝てなくても 
 友達に裏切られても 女にフラれても 
 その中で歯くいしばってひねり出した仕事がお前の実力の全てだ
 オレ達がやってんのは学生の自由研究じゃねぇからな 

 クソみたいな日にいいもんつくるのがプロだ」

 はい。ぐうの音も出ません、神谷パイセン。

 いっぱしの社会人である以上、自分のアウトプットはすべて自分の責任どんな理由があろうと、なんて言い訳しようと、結果の伴わないプロセスは誰にも評価してもらえないし、何より、全力を出しきれなかった仕事に対しては、きっと自分が後々、悔しい思いを引きずることになるだろうなと思います。

 逃げたくなったら、脳内に神谷パイセンを召喚して、自分に喝を入れたいですね。いつの日か、本物の“プロ”になれることを目指して。(横)