私の大好きな書籍『翻訳できない 世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース著/前田まゆみ訳/創元社刊)。タイトルのとおり、ひとことでは訳せない、世界のユニークな単語たちが紹介されている本書に掲載されていることばのなかから、私が特に感銘を受けたり、気に入っていることばを紹介させていただくシリーズ、第2弾。

 今回のことば「UBUNTU」は、ズールー語で「あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味で、「人のやさしさ」を表します。

《南アフリカのこの重要な哲学は、いろいろに解釈されていますが、UBUNTUを知っている人なら、わたしたち人間は目に見えない形でかならずつながっていることを認めるでしょう》と綴られていますが、確かに、このことばを聞くと、われわれ人類は国境を超えて互いに認め合い、思いやれるはずだ、と信じることができる気がします。

 胸を痛めるような争いが、至るところで後を立ちませんが、「UBUNTU」の精神で、無駄な衝突は避けていってほしいものです。(横)