大正から昭和時代前期に生きた詩人・八木重吉の言葉です。敬虔なキリスト教信者だったそうですが、29歳で病気により夭折。自然や家族など身の回りのことをテーマに、単純な言葉を使いながら、心に響く詩を数多く残しています。

 気づかれないように、他人のための行いをする。見返りも求めない。そんな気持ちをこんな子どもでもわかる言葉で表せるなんて、すごいなと思います。謙虚なまなざしと優しい心に、私たちが失った何かを取り戻す思いがしました。

 世界情勢も国内情勢も不安な今の世では「所詮、きれいごと」と言われてしまう言葉かもしれませんが、奪うだけではなく与える気持ちを忘れずにいたいと強く思います。(知)