私の大好きな書籍『翻訳できない 世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース著/前田まゆみ訳/創元社刊)。タイトルのとおり、ひと言では訳せない、世界のユニークな単語たちが紹介されている本書に掲載されていることばのなかから、私が特に感銘や衝撃を受けた、お気に入りのことばを紹介させていただくシリーズ、第14弾。

 私は「GEZELLIG」の意味を知った瞬間、心があたたかくなりました。オランダ語で、「単に居心地がよいだけでなく、ポジティブであたたかい感情。物理的に快いという以上の、“心”が快い感覚」を表す形容詞。例えば、愛する人とともに穏やかな時を過ごすような際に使うようです。

 オランダ人に尋ねてみると、みんなヘゼリヒについて語ってくれるのだそう。本書には、《あたたかく、まるで家族のように人を迎え入れ、楽しい会話やハグで心をリラックスさせてくれる文化が、そこに現れています》とあります。オランダには詳しくないし行ったこともないのですが、一気に大好きな国になりました! いつか新婚旅行とかで行けたら、まさに“ヘゼリヒを味わう旅”になりそうだなあと、夢が膨らみました。(横)