今日は「昭和の日」。ということで昭和の流行語を調べてみたのですが、目に止まったのがこの言葉。1989年なのでギリギリ昭和……というか、ほとんど平成なのですがお許しください。

「オバタリアン」。若い人はわからないと思うのですが、アラフォーの私が小学校低学年のときに大人気だったんですよ。

『オバタリアン』は堀田かつひこ氏による漫画で、アメリカのホラー映画『バタリアン』とおばさんを組み合わせた造語です。「バタリアン(Battalion)」とは英語で「大群」を意味するそうですが、厚かましく図々しい、パワフルな中年女性を指してこう呼んでいました。フジテレビ系で『わてら陽気なオバタリアン』という、中年女性のエキストラ女優が仕掛け人になって一般人にドッキリを仕掛けるバラエティ番組もあったのですが、これを私はドリフと並ぶほどに楽しみにしていました。

 尊敬か称賛か、または冷笑や批判なのか。大人がどんな意味で「オバタリアン」を使っていたのか当時の私にはわからなかったのですが、「そこのけそこのけ」とばかりにワガママを通して周りに迷惑をかけまくるおばちゃんたちがある意味爽快で、すごく面白かったんです。

 今では「オバタリアン」の迷惑行為はハラスメントとして糾弾されておかしくありません。それを笑って許さなくなったのは社会が成熟したからとも言えます。中年女性も若々しい人が増え、“いかにも”なおばちゃんルックの女性が少なくなったように思います。

「オバタリアン復権!」とは全く思わないけど、昭和の最後は明るい時代だったのかなと懐かしく感じるとともに、世の価値観って本当に変わるものだなと実感します。(知)