世界のことわざシリーズです。

 フランス人はおしゃべり好きな国民性なんだそうです。

「批判精神に富んだ軽妙洒脱で辛辣な言葉を当意即妙に述べる才のこと」をフランス語で「エスプリ」と言いますが、そういった舌戦の土壌がフランスにはあるのでしょう。おしゃべりが得意でない私などは想像しただけで震え上がってしまいますが……。

「天使が通る」とは、人々の会話や座談がとぎれて、一座の者が黙り込むことを意味します。突然の会話の「空白」を天使が通ったようだと表現するなんて、超おしゃれ。そしてそのくらいフランスでは稀(まれ)なことなのかもしれません。

 会話に沈黙が訪れたら使ってみると、ちょっと気が利いていてかっこいいですね。私は親しい人との会話の中では沈黙が続くことはザラなので、試しに何回「天使が通った」と言うか数えてみるか、と思いました。(知)