私の大好きな書籍『翻訳できない 世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース著/前田まゆみ訳/創元社刊)。タイトルのとおり、ひと言では訳せない、世界のユニークな単語たちが紹介されている本書に掲載されていることばのなかから、私が特に感銘や衝撃を受けた、お気に入りのことばを紹介させていただくシリーズ第20弾。

「TREPVERTER」はイディッシュ語で、直訳すると「ことばの階段」あとになって思い浮かんだ、当意即妙な言葉の返し方を指すそうです。

「ことばの階段」、私は毎週のように、長くなっていっている気がします。悔しいかな、その場では気の利いたことのひとつも言えず、会話が終わってしばらくしてから、いちばんいい返しが、パッと頭に浮かんできたりするんですよね。角を曲がってしまってから、もしくは、階段を下りきってしまってから“抜群のひと言”が舞い降りてくるもんだから、ことばの神様って、時にいじわるだなと思ってしまいます。(横)