“マンガでもありえない”と言われるほど異次元の強さで社会現象を巻き起こし、トップ棋士として大活躍の藤井聡太五冠。

 デビューからの連勝中には、「望外の結果」「僥倖(ぎょうこう)としかいいようがない」といった年齢に似合わず難しい言葉遣いがクローズアップされました。ちなみに「望外」とは期待していた以上によい結果を得られること、「僥倖」は思いがけない幸運という意味。

 その後もさまざまなコメントやエピソードから謙虚な人柄、深い思考が伝わってきて、“観る将”(=自分は将棋を指さず、観戦専門のファン)の私はいつも感心させられます。

 そんな19歳は苦手で食べられなかったキノコを克服しつつあることを、冒頭のように言い表しました。仕事(将棋)に向き合う姿勢も、きっと同じでしょう。

 短期間で劇的に変化したり急成長するのは難しいなぁ……と自分を省みるとき、私がちょっぴり励まされるひと言です。(純)