53歳にして美貌と美声は健在、今なお全国ツアーを行っているスーパーウーマン・森高千里さんが、今年6月に東北で行われたライブのMCで言っていた言葉です。

 湿度が高くてベタベタするし、傘をさすのもめんどくさいな〜と思う今日この頃だけれど、このひと言を思い出しながら道を歩くと景色がワントーン明るく見えて、なんだか気分爽快になってくるから不思議

 森高さんは持ち歌の多くをご自身で作詞されていますが、天候や季節×感情の描写がとてもきれいで、スッと胸の奥に入ってきます。例えばこちら。

《午後の街を歩く いつもよりも急ぎ足で ギンガムのシャツの襟が風に涼しい 街路樹の緑が 風にそよぐ音を聞いて ふと見上げると空には 白い三日月》(『SWEET CANDY』より)

《おいしい空気を吸って 青い空見上げれば アァ少し元気に なれるかな 行ってみたいな 遠い街なら辛い恋も 風が運んでくれそう ゆっくりゆっくり 空に消えてゆくでしょう》(『風に吹かれて』より)

《見渡せば日暮れて 遠く霞む島の灯り 二人の幸せを祈る一番星 海は夕なぎ夏の終わりの 静かな夕暮れ》(『夏の日』より)

《確かなものなんてない だから不安なことばかり でもこの夜空だけは 変わらず輝きつづけている》(『星に願いを』より)

 言葉の端々から、前向きさと優しさがにじみ出ていて、なんだか心があたたかくなります。

 そんな森高さん、新型コロナの猛威によって足掛け4年にも及んだ「この街ツアー」も、6月25日の宮崎公演で千秋楽。全国あちこち追い続けた私としては、今から泣けます。まぎれもなく、彼女の歌手人生に大きな影響を与えたであろうこのツアーの最後、森高さんがどんな言葉を紡いでくれるのか、この目で、この耳で、しかと味わってこようと思います。(横)