公開中の映画『シン・ウルトラマン』が大ヒットを記録しています。2016年の『シン・ゴジラ』に始まり『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、そして来年には『シン・仮面ライダー』が公開予定。いずれも過去の特撮ものやテレビアニメをリメークした作品で、映画監督の庵野秀明さんが脚本や企画に携わっています。

 なぜ漢字ではなくカタカナの「シン」なのでしょう。ある記事によれば「新」「真」「神」などさまざまな意味を、観客に感じてほしいという作り手の意図が込められているのが理由のようです。

 10月から放送される人気ドラマ『相棒』の新シリーズで、14年ぶりに復帰することが決まった寺脇康文さんも、《流行りの言葉にすると『シン亀山薫』でございます!》とコメント。このシン(新)語、じわじわとシン(浸)透しているようです。

 最初は『新〜』のほうがわかりやすいのでは? と感じましたが、何度か字面を目にしているうちに慣れてきました。いまや「シン」には既存の枠にとどまらないスケールの大きさすら感じます。

 やはり言葉は時代とともに変わっていくもの。ときには遊び心で、いろいろな言葉を柔軟に使いこなせるといいなと思います。

 そんな私ですが昨年、JRの新駅の名称公募に申し込んでみました。駅周辺の幕張新都心にちなんで「シン・幕張」でエントリーしましたが、どうやらランキング圏外(漢字表記の「新幕張」は応募数2位だったそう)。公共の施設名にはふさわしくないのでしょうか……。(純)