今年も夏の甲子園の予選が各地で始まりました。温暖化が進み炎天下での開催は選手への負担が大きく大会の開催方法などを見直すべきだという声も耳にします。確かに、ひと昔前のように「気合で乗り切る」レベルを超越した暑さでの試合は選手の身体が心配になってきます。

 今回は、そのひと昔(ふた昔かも)前の言葉。大阪代表のPL学園で春夏合わせて5回出場の清原和博選手の活躍ぶりを端的に表した実況アナの言葉です。1985年の夏の大会決勝戦。相手は山口県代表の宇部商業高校。6回の裏に1点リードされた場面で、同点となるホームランを放った際の実況です。清原は甲子園通算13本のホームランを打っていて、今もこの記録は破られていません。この実況はまさにその13本目のホームランでのもの。

 全国の高校球児が目指す「甲子園」を清原選手の活躍のための舞台となぞらえるほど、彼は活躍していたということです。

 2021年の東京五輪でもフジテレビ・倉田大誠アナウンサーの「13歳、真夏の大冒険!」という実況は記憶に新しいです。スケートボードで史上最年少の金メダルを獲得した西矢椛(にしや もみじ)選手が技を決めた時に出たものです。

 選手の活躍を際立たせるような名実況もスポーツ中継の醍醐味かもしれませんね。(文)