このことわざ、高校時代の恩師に教えられました。

 高校生ですから、将来の夢や希望は大きかったはず(あまりにも昔のことで覚えておりません)。間違いないのは、今より身体も動くし元気でした。

 この先生は一風変わっている人でした。化学の先生で、放課後に化学準備室に行くとビーカーにビールを入れて飲んでいる(実話です! 大らかな時代でした)ような先生でした。さすがに生徒にお酒を勧めはしませんでしたが、いろいろな話をしてくださいました。

「大きな志や夢を語るのはいいこと。でも世の中はそんなに甘くはない。棒ほど願ったって針ほど叶えばいい方だ」

 身も蓋もない話にも聞こえますが「肩の力を抜きなさい」というアドバイスだったのかもしれません。既に鬼籍に入られており、確認できないのが残念です。ただ、たまに思い出して、自分を慰めたりしております。(文)