昔っから、負けず嫌いでした。極端に言えば、模試も運動会も、1位以外はビリと同じって考えていた時期もあるくらい。50点満点のテストで49点でも、一日中、悔しがっていたこともありました(なお、負けず嫌いの発動は、そこそこ得意な、もしくは、わりと好きなものに対してのみ。ほめられたことではありませんが、端から苦手な理数系や、興味のないイベントごとに関しては、努力もしなければ、最下位でも1ミリも気にしないという割り切りっぷりでした)。

 今ではその荒ぶりもずいぶんおさまり、完璧主義なところも減ってきて、「まあまあでいいや」という気持ちでやり過ごせることも多くなってきました。でも、基本的に、勝負ごとに直面したら、手は抜かない。120%を出し切ったうえで、結果を受け入れる余裕ができたという感じです。

 ですから、冒頭の言葉に出会ったとき、ドクン! と、心臓が大きく動いたことを実感しました。「そうなんだよマジでこれだよ、よくぞ代弁してくれた……!」と、日向クンに向けて人知れずスタンディングオベーションをぶちかましました。かつて、気性が穏やかな友人に、「なんでそんなに燃えてるの? 勝ちたいとか負けたくないって気持ち、基本的にあんまり浮かんでこないんだよね〜」と言われたことがありますが、今ならサラッとこのひと言を返したい!

 年を重ねるにつれ、自制心などがはたらき、気持ちの赴くままに行動することって、少なくなってくると思うんです。でも、これからも「ここぞ!」という場面では、胸の内からあふれてくる熱さを抱いたまま、何かに全力でぶつかるのも悪くないんじゃないかなって感じられました。ただ、周囲と競うというよりは、「自分の弱い部分に打ち勝ちたい」というタイミングで、この言葉を思い出したいと思っています。(横)