漫画『呪術廻戦』に登場する呪術師、釘崎野薔薇。確固たるアイデンティティを持つ彼女のセリフの中でもダントツに好きな言葉。冒頭のセリフは、同じく呪術師の西宮桃から「女の呪術師が求められるのは“実力”じゃないの、“完璧”なの」と言われた際に出た言葉です。セリフの後にはこのように続きます。

「男がどうとか女がどうとか 知ったこっちゃねーんだよ!」
「私は綺麗にオシャレしてる私が大好きだ!強くあろうとする私が大好きだ!私は”釘崎野薔薇”なんだよ!」

 いやもうかっこよすぎる。漫画ではヒーロー/ヒロインという枠でキャラクターが語られることがありますが、釘崎野薔薇はヒーローでもヒロインでもない。「釘崎野薔薇」なんです!!

 何かをなすうえでの理由や意義はもちろん大事。大事なんですが、プライベートでも「意識しないと!」と考え、理由は?根拠は?それって意味ある?と自問自答することがありました。釘崎の言葉を知ったとき、なにかから解き放たれた気持ちがして、自分らしく生きないと!と改めて感じたことを覚えています。

 自分が好きだから好き。完璧もいらないし、理不尽にあらがう必要も応える義務もない。なにかの枠組みやだれかの価値観に縛られない彼女の性格だからこそ、多くの読者の心をつかんでやまないのだと思います(西)