編集Hは新潟で生まれ育ち、現在は都内に住んでいます。年に数回は地元に帰省していたのですが、コロナ禍以降なかなか帰りにくくなってしまいました。新潟-東京間は新幹線で2時間程度で移動できるということもあり、いつでも帰れると思っていた私は、家族に会えるのは当たり前ではないのだということを改めて思い知らされた2年間になりました。


 20代後半まで新潟で暮らしていたので(現在30代半ば)、たまに故郷に帰ることで自分自身のオンとオフのバランスを取るようにしていたところもあります。


 それでも、このお盆には帰省し、家族とゆっくり過ごすことができました。大人になるにつれ、20代の時には気恥ずかしさから話すことができなかった人生観や過去の話、今後についてなど、話す内容の幅も広がってきたなと感じています。


 新潟から東京に戻る際、両親が必ずかけてくれる言葉があるのですが、それがこの言葉と「体に気を付けるんだよ。」です。以前はあいさつ程度に聞き流していたこの言葉も、年齢を重ねるごとに重みを増してきました。


 大げさかもしれないですが、仮に年に数回しか会えないとすれば、生きてるうちに家族に会える回数は、もう数えられてしまう程しかないのだなぁと思うようになりました。家族との別れ際、この言葉をかけられると、やはり次に帰るときも家族との時間を大切にしたいなとギュッと気持ちをかみ締めます。


 体を気遣われるたび、両親こそ体を大事に長生きしてほしいと思いながら、田んぼからビルに移り変わる景色を窓越しに、新幹線に揺られ帰京しています。(本)