Yeahhhhhhhhhhh!!Pow!!Pow!!

 

 あ、すいません。あまりのパンチラインにバイブスが上がってしまいました。
 今回紹介するコトバスケットは、板橋出身のラッパーPUNPEEと、HIPHOP界の生けるレジェンドKREVAによる名曲、「夢追人」からの一節です。
『悪いが太鼓持ちに叩かすドラムはない』
『過去を責めてんじゃなくて今を攻める』

など、前向きで心揺さぶる歌詞が多い中、自分が一番盛り上がったのがこの『えもいわれぬ気持ちはエモいじゃない』でした。

 2016年頃から頻繁に使われるようになった“エモい”という言葉。英語の「emotional」が語源ではないか?そもそも「得も言われぬ」が元ではないのか?と様々な憶測がありますが、自分の感情が揺さぶられたときや趣がある事象を目の当たりにしたときの言葉として、“エモい”が使われることが多いです

 この曲を聴く限り、歌詞の『エモいじゃない』は、否定形の『”エモい”ではない』を意味しており、なんでもかんでもエモいと形容する文化に警鐘を鳴らす歌詞になっていると私は解釈しています

“エモい〇〇TOP10”
“エモいスポット●選!”
“この番組エモくない?この曲エモくない?”

 どこもかしこもエモいエモい。自分の感情を言葉化し戦う彼らだからこそ、自分の気持ちと感情の波を、そんな簡単にまとめるなよ。というメッセージのように感じました。

 一方、エモいは古語でいう「あはれ(あわれ)」や「をかし」のように、趣のある様を表現した言葉と同じ意味になるのでは?いやそもそも、「ヤバイ」とか普通に使ってるしなんなら最近見た映画エモかったな......と感じているこの頃。日本語の美しさ、をかしさ、ヤバさ、エモさ。そのすべてを理解して取り込んで、自分の言葉として発信できるような人でありたいと改めて思ったのであります。(西)