西暦2112年9月3日、つまり90年後の今日が誕生日のドラえもん。その名セリフはファンの心をつかみ、解説書もいくつか出版されています。コトバスケットでも先日、「なやんでるひまに、ひとつでもやりなよ」というひと言をご紹介しました。
のび太を叱咤激励する言葉が多いドラえもんですが、ときにはどこか冷めた目というか、諦観したようなニュアンスさえ感じられるものもあります。コミックスに収録されている『りっぱなパパになるぞ!』というお話では、のび太が将来は子どもに優しく理解ある父親になると熱く語るものの、ドラえもんの答えは「そのへんでやめときな。りっぱすぎる決心は、きっと三日坊主になるから」。
実際、誰かにこう言われたらフッと肩の力が抜けませんか? ダイエットや筋トレも毎日無理にこなすのではなく、できる日にやればいいくらいのほうが長続きすると言いますし、仕事でもハードルを上げすぎず、小さなことから一歩ずつ進むのがいいのかと(言い訳?)。
ちなみにお話の続きはのび太がタイムマシンに乗り、25年後の自分に会うことに。父親になったのび太から「失敗しては反省し、また失敗しては反省し……、なおったのは近眼だけ」と“現実”を突きつけられますが、少しずつでもよくなっているから家族(しずちゃんと息子のノビスケ)のためだけにでもがんばる、人生はこれからが勝負だとの言葉に再び心を動かされます。
とはいえ「毎日がんばるのはたいへんだから一日おき、いや、二、三日おき……」というのび太。ドラえもんのアドバイスどおりの決意表明を支持します!(純)