秋の雨は梅雨の時期とは違って、うら寂しいものを感じます。

 さて、「傘かしげ」は、狭い道で傘をさした人同士がすれ違う際に、相手と反対側に傘を傾ける仕草のこと。こうすれば、相手に雨の雫がかかる事を防げます。お互いがこの仕草をすると狭い道もスムーズにすれ違えますね。温暖化の影響なのか、雨の降り方も変わりました。ゲリラ豪雨は、時には命の危険すらはらみます。「線状降水帯」「雨柱」(あめばしら)という気象用語も普通に使われるようになりました。「雨柱」などは一見、風流にも感じましたが、狭い範囲に集中的に雨が降るので、遠くから雨の柱が立っているように見えることを指しているとか。もはや「災害」の範疇ですね。

 今回の言葉は、「江戸しぐさ」のひとつとされています。激しい雨ではなく、シトシトと降る雨の中でのひとコマを想像させます。ほんの少し、傘を傾ける様子を「首をかしげる」形になぞらえたのでしょうか? 雨の日のマナーとして覚えておきたいものです。(文)