久しぶりに、私の大好きな書籍『翻訳できない 世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース著/前田まゆみ訳/創元社刊)シリーズをお届け。タイトルのとおり、ひと言では訳せない、世界じゅうのユニークな単語たちがちりばめられている本書のなかから、私が特に感銘や衝撃を受けたことばを紹介させていただきます。

「WARMDUSCHER」はドイツ語の名詞で、「冷たい、または熱いシャワーをさけて、ぬるいシャワーを浴びる人」。転じて「少々弱虫で、自分の領域から決して出ようとしない人」を指すそうです。

 私は、大人になるほど、このWARMDUSCHERになりがちなのかなと思います。子どものころは、プールに行ったら率先して冷え冷えのシャワーを浴びにいくくらいの勢いで、未知なる世界に飛び込んでいったものです。でも、自分の能力も、世間のあり方もある程度悟ってしまった今となっては、無駄なチャレンジは避けて、なんとな〜く日々をやり過ごすだけになっている人も少なくないのでは?

 いくつになっても、自分で道を切り拓いてこそ、まだ見ぬ輝かしい未来に近づけるはず。そう自分に言い聞かせて、シャワーの温度を1〜2度、調整するところから始めたいと思います。(横)