結構長い間生きていると思っても、まだまだ知らない言葉、出会っていない言葉がたくさんありますよね。自分にとって最近初めて知ったのは、「慇懃無礼」という四字熟語。「無礼」はなじみがありますが、「慇懃」は「いんぎん」と読み、「非常に丁寧で礼儀正しいさま」を表すそう。

 ただ、そこに「無礼」がついて「慇懃無礼」になると、「言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼であるさま。あまりに丁寧すぎると、かえって嫌味で誠意が感じられなくなるさま。また、表面の態度はきわめて礼儀正しく丁寧だが、実は尊大で相手を見下げているさま」(『三省堂 新明解四字熟語辞典』より)と複雑なニュアンスを醸す言葉になります。

 みなさんも、確かに口調や文体は丁寧だけど言ってることは無茶苦茶だな…と思う場面に出くわすことが多々あると思います。そんな時は心の中で言ってやりましょう、SAY「慇懃無礼」!

 とはいえ自分も知らず知らずのうちにそんな態度を取っているかもしれない。彼奴等を反面教師に、人の振り見て我が振り直し、実るほど頭を垂れる稲穂かな精神で、真摯に精進していきたいと思うのでした。(福)