この言葉は『ドラえもん』の作中で、のび太がひょんなことから育てることになった、タンポポから言われるせりふです。ファンタグラスという眼鏡の道具をかけると、動物や植物などが、まるで人間のように話をしたり動いたりして見える、ファンタジーなアイテムなのです。

 タンポポの生育を見守るのび太を、ジャイアンとスネ夫が野球に誘った際、負けたら自分のせいにされるからと、苦手なことに端から挑戦しないのび太。そんな様子を見かねたタンポポが、のび太にかけた言葉です。

 ただ、実はこのアイテム、眼鏡をかけている本人の心の声や考えが、動植物の言動に反映される仕組みなのだとか。

 その後のストーリーは、タンポポが花を咲かせ、やがて綿毛になり飛び立って成長していく様子を通して、のび太も自らを奮い立たせ野球に挑戦する、という話で締めくくられています。

「やりたくないな」と思っていても、実は内心「だけど本当は、やった方がよいのにな」と、わかっているという経験は、私にも思い当たります。

 苦手なことや抵抗があることこそ、取り組むことによって、技術力の向上だけではなく、心の筋肉が鍛えられるのかもしれません。編集Hもこの言葉を念頭に、これまで苦手意識から遠ざけていた、筋肉トレーニングを開始したのでした......。(本)