いや~、コロナ、なかなか収束しませんね!

 当初の言いようのない不安や動揺に比べればだいぶマシになりましたが、「自分の身は自分で守る」「家族や友達を大切にする」「平常心を保つ」という三大指針をストイックに掲げていた自分も、思った以上に食らってたんだなあとようやく実感をもって振り返れるようになりました。

 地震も台風もコロナも停電も物価高も激動の世界情勢もサバイヴして、我ながら強くなったぜとしみじみしているものの、もうこれ以上全力でメンタルを揺さぶってくる感じ、ほんと勘弁してください地球!となっているところです。

 で、心がモヤモヤしたりザワついたりしたときは音楽を聴く、映画を観る、おいしいものを食べて寝るに限る。ということで、先日気分転換に、コロナ禍でよく聴いている日本の音楽をまとめてプレイリストを作ってみました。ここ数年の心情にフィットするものばかりのなか、今回ご紹介するのは、映画『海獣の子供』の主題歌で、米津玄師さん「海の幽霊」の一節、「大切なことは言葉にならない」です。

「言葉にならない」ということを「言葉で」伝えている。この割り切れなさやもどかしさ、矛盾を感じさせるところも大好きです。ひるがえって、人間とは言語を介してしか思考できないのか?言語とは、思考とは、人間とは?というところまで思いを馳せてしまいます。

 私はCINEMA Chupki TABATAで『海獣の子供』を観たのですが、エンドロールで「海の幽霊」が流れた瞬間、祖母や夭折した大切な人のことを思い出し号泣してしまいました。『鉄コン筋クリート』などで知られるアニメ制作会社・STUDIO4℃による映像美も、五十嵐大介さんの原作の筆致も素晴らしいのでぜひ。

 音楽や映画は、「言葉にならない」音像や映像で、言葉以上の景色を見せてくれるところが好きです。みなさんも、自分だけの「像(イメージ)」を見つける旅に出てみてはいかがでしょうか。(福)