今回、私が紹介したいのはアメフト漫画の先駆け、『アイシールド21』の主役級キャラクター・蛭魔妖一(ひるま・よういち)のひと言です。

 人生、うまくいかないことばかり……。なんで自分はできないんだろう? なんで自分は才能に恵まれなかったんだろう?

(一部の天才を除いて)、誰しも一度は思ったことがあるのではないでしょうか?

「もっと才能があれば」「あの人みたいにできれば」……そんな[ないものねだり]を心に抱え、そのうち自分自身に諦めを感じてしまうことも多いでしょう。

 その反面、蛭魔は違います。

 なんとなくイメージされている方も多いかと思いますが、アメリカンフットボールは身体能力(身体の強さや足の速さなど)が重要なスポーツです。

 しかし、蛭魔は身体能力は人並み、持ち合わせている運も人並み普通であれば活躍することは難しいプレイヤーだけれど、とにかく、その天才的な頭脳と血のにじむような努力で身につけた技術で勝負をしていきます。

 身体能力の差分を、自分たちの強みを活かして勝負し、相手の持ち味は発揮させないような[カードの切り方]で埋め、“圧倒的凡人が、圧倒的天才に勝つには?”をテーマに、智略のみで勝利を掴み取っていくんですね。

 改めて自分に置きかえると、気を抜くと、どこか[ないものねだり]の言い訳をしてしまいがち。

 でも、立ち止まって考えれば、目標を成し遂げるためのルートはひとつではありません。自分に与えられたカードでの闘い方を考え抜き、今持てる全ての力で突き進むこと。それこそが人生でいちばん大事なことだと教えてもらった一言です。(横)