「───。これ、デカルトの言葉ね」。高校時代、数学の授業中でした。複雑な積分計算の解説をしていた先生が、“式を分解して計算しろ”という意図でふざけて発した何気ない一言だったのですが、以来、私の座右の銘となっています。

 日々過ごしていると、なんとなく気乗りしないことや複雑でよくわからないこと、手をつけるのもめんどくさいことが、たくさんありますよね。(仕事なんかは特にそう……)

 そこに目を背けてやけ酒に走る前に、一旦、やらないといけないことや複雑そうな事柄を紙に書き出し、要素を分解してみてください。すると、意外となんてことのないものが絡み合っているだけで、ただ複雑に見えているだけだったりするものです。

 締め切りが今週までのあの仕事、多分どこかで徹夜しなきゃいけないし、なんだか気が重くて手がつかない……。そんな仕事だって、やるべきことを書き出して眺めてみると「あれ? 丸一日かかると思ってたけど数時間くらいで終わりそう?」なんてことも、自分の場合はよくあったりします。

 悩み事なんかもそう。そのままの状態で受け取るから面倒に見えるだけ。分解してみると、何に頭を抱えていて、何に対してはなんとも思っていないのかが見えてきて、悩みの種は存外小さいことに気づくはずです。

「困難は分割せよ」。400年前から残る、心を少しだけ軽くしてくれる言葉です。(Mr.K)