起床時や移動中、ランチにおやつどき、夜まったりしたいときやここ一番の大勝負前など、気分やシチュエーションによって聴きたい音楽って変わりますよね。

 私が深夜になると聴きたくなる曲のひとつに、Burialの「Nite Train」(2005年)があります。Burialはダブステップという音楽ジャンルを代表する、ロンドン出身のミュージシャン。こんなに雨と霧と夜が似合う音楽があるのか~~となるので、興味がある方は聴いてみてほしいです。

 で、その「Nite Train」にゴッドフリー・レジオ監督の『コヤニスカッツィ』(1982年)の映像をあてたMAD動画がYouTubeに上がっているのですが、それをよくぼんやり眺めてしまいます。

 この『コヤニスカッツィ』は『ポワカッツィ』(1988年)、『ナコイカッツィ』(2002年)と合わせて『カッツィ三部作』と呼ばれ、実験的な映像美と現代音楽の巨匠フィリップ・グラスの音楽で、文明社会のひずみを描きます。

 それぞれの題名はアメリカの先住民・ホピ族の言葉で、「コヤニスカッツィ」は「平衡を失った世界」、「ポワカッツィ」は「自己の繁栄のために他人の生命力を食い物にする生き方」、「ナコイカッツィ」は「日常と化した戦争」という意味。

 2022年、戦争が始まりミサイルが飛び交う中、考えさせられる言葉ではないでしょうか。(福)