先日、SNSでふと目に留まった漫画の広告がありました。タイトルは、『クジャクのダンス、誰が見た?』。作品は「本格クライム・サスペンス!!」と紹介されていましたが、内容よりも、「え、どういう意味?」と思わせるタイトルが気になってしまい、すかさず検索すると、冒頭で紹介したヒンディー語のことわざがあることを知りました。

 このことわざが何を表しているのか、みなさん、ピンときますか? 答えはとても哲学的で、「目撃者がいなくても価値があると言えるのか」といった意味なんだそうです。「評価されるためには、できるだけ多くの人の目に触れる必要があるのでは?」という問いかけにも感じられます。

 もちろん、クジャクの場合はそんなことは気にせず、観客がおらずとも優雅に舞って、気持ちを満たしているかもしれません。ただ、ウェブサイトを運営する身としては、ちょっとドキッとさせられることわざでした。

『fumufumu news』は2021年の10月に誕生した、比較的新しいメディアです。これまで、「知名度はまだ低いかもしれないけれど、とにかくできる限り質のいい、読者が面白がってくれるような記事をためていこう。それが実を結び、少しずつ“いいサイトだ”と認知されるようになるといいな」という気持ちでやってきました。

 しかし、やはり、たとえどんなにすてきなコンテンツが並んでいようと、世間の目に触れなければ、宝の持ち腐れで終わってしまいます。できることなら、ジャングルの奥地ではなく、人々がたくさん集まる真ん中で、全力のダンスを披露したい。そう思うと、媒体の知名度アップのための施策をもっと積極的に打っていく必要があるな、と身が引き締まりました。もちろん、記事のクオリティも、今まで以上に担保していきたいです。

 なんだか真面目な決意表明になってしまいました。最後に余談をひとつ。私は大学時代、外国語学部でペルシア語を専攻していましたが、当時、学部には専攻ごとに異名がつけられていました。ペルシア語は、“お花畑のペルシャ”。つまり、単位の取り具合も、教授たちも比較的やさしめで、私のような脳内お花畑の人間でも、留年せずに卒業することができました(笑)。ほかに、“悠久のモンゴル”と呼ばれたモンゴル語専攻も、比較的、挫折する人が少なかったと聞きます。

 一方、“進学できる率ワースト3”と、まことしやかにささやかれていたのが、“極寒のロシア”、“灼熱のアラビア”、“地獄のヒンディー”。今回のことわざがヒンディー語だと知り、原文の解読はさぞ難しいのだろうな・・・と身震いしたワタクシでありました。(横)