毎年12月3日から9日までは「障害者週間」だそうです。この週間がスタートした先の日曜、自宅近くの駅前広場で福祉作業所の手作り品やパラアート展示、ボッチャ体験などのイベントが開催されているのを見て、気づきました。

 恥ずかしながら、「障害者週間」があることを知らなかった私。慌ててネットで調べると、内閣府のページに、《「障害者週間」は、平成16年6月の障害者基本法の改正により、国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的として、従来の「障害者の日」(12月9日)に代わるものとして設定されました》と説明がありました。

 私の兄が知的障害者だったこともあり、小さい頃から特別支援学校について行ったり、障害者の方と触れ合うことが多かったんですが、当時(30年くらい前)の一般社会では障害者が疎ましがられるような、差別的な雰囲気があったことを鮮明に覚えています。そんな空気を感じて、恥ずかしいし、いじめられるのではと思って、きょうだいが障害を持っていることを友達に言い出すこともできませんでした。障害のある人は何も悪くないのに。今の自分なら、そんな自分は間違っていたと言えるのですが……。

 ここ10年くらいで、「多様性」という言葉とともに徐々に障害も個性だと認識されるようになって、本当に良かったなと思います。まだまだ差別的な問題はあるにしろ、「共生」の一歩は、踏み出せているはず。コロナ禍以降は悪いニュースばかりですが、確実に世の中が良くなっていることもあるんだと実感します。

 個人的に福祉のためになる活動は全然できていないけれど、まずは障害者週間があることを意識することが大事なんじゃないかなと思います。そして街の中にある点字ブロックや音声案内をはじめ、道端に停まった車椅子のマークのステッカーがついた福祉車両に意識を配るだけでも、違うはず。

 今日のコトバス、長いし綺麗事を言ってるな、と思われるかもしれません。でも綺麗事から世の中が変わるかもしれないと思うと、言わずにはいられませんでした。(知)