編集の仕事をしていると、普段の日常生活では出会うことができない方々とお会いする機会に恵まれますが、その道で活躍している人たちがまとう雰囲気は、どこか独特です。

 とにかく身体中からパワーがみなぎっている人、“オーラってこういうことを言うのか!”というほどにひときわ存在感がある人、安心感を抱かせる人、ハッピーなオーラをまとっている人、さまざまです。

 ただ一様に言えるのが、仕事に対する前向きな気持ちと丁寧に向き合う姿勢が共通していました。周囲にポジティブな影響を与えられる人は“やっぱりすごい!”と、都度感動します。

 あるウェブの記事で、女優の吉高由里子さんが“今でも仕事の壁はずっとある”と話しているのを目にしました。“あんなに活躍している人でも?!”と思った凡人の私(笑)。

 さらに読み進めると“私にとってはこの備える期間(ひとつの仕事が終わり、次の仕事に備える期間を指す)が一番ナーバスだけど、この緩急が苦しいということではなくて、人間に生まれたからこその醍醐味(だいごみ)というか。”と話をされていて、“しんどさやプレッシャーをそんなふうに書き換えることができるのか”と、その達観した考え方に、またひとつ感服した次第です。

 自分ではない誰かの生き方を通し、勉強させてもらった瞬間でした。

 普段からインタビュー記事を好んで読んでいますが、その人がどんな経験を通してどんな気持ちに行きついたのかを知ることで、励まされたり、ときには共感したりしながら、ほんの少しだけ、読む前の自分と違う自分になれたらよいなと思います。

 この言葉を知り“自分自身を知るためには、まず他者に対する興味から始まるのかもしれない”と思いました。(本)