“祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり”『平家物語』の冒頭に出てくるこの言葉。

 学生時代に習って以来、この言葉と、後に続く“おごれる人も久しからず”が、胸に焼きついて離れない私です。

 改めて、辞書を引いて調べてみると「世の中の一切のものは常に変化し生滅して、永久不変なものはないということ」(デジタル大辞泉より)とのことですが、この不安定な世界情勢が、まさに、その言葉の意味を成しているような気がしますね。

 この言葉が事あるごとに私の元にやってきて、物事がうまく運ばないときは“悪いことばかり続かないだろう。いずれよくなる”と前向きに捉える力をくれ、うまくいっているときほど“おごれる人も久しからず”のワードで、むしろ身が引き締まる思いがするのです(汗)。

『諸行無常』という言葉が“いま目の前に広がる困難な世相も続きはせず、次にやってくる万事に備え準備していくことで、やがて少しずつ明るい未来が見えてくる”と、私たちに教えてくれているのではないでしょうか。

 そうなってほしいと切に願う編集Hです!(本)