※奇を衒う:気を引くために、奇妙で風変わりなことをすること(Weblio参照)

 わかってます。いや、わかってるんですよ? 基本が大事だというのは。

 でも、なんか自分の色を出したい/手っ取り早く個性を出したい……その我欲が具現化した結果、衒(てら)いたくなるんですよね。奇を。ほら言ってるそばから倒置法とか使っちゃって。「奇を衒いたくなります」でいいはずなんです本当は。

 というわけで、今日のコトバスケットは「不慣れな奴ほど奇を衒う」。読んで字のごとく、慣れていなかったり未熟であればあるほど、それを埋めるために突飛な方法を取ろうとしまうさまを、アニメ『氷菓』の主人公も語っていました。実はアニメの流れ的に、必ずしもこの言葉が悪い意味ではないようにも捉えられますが……そのあたりはぜひ『氷菓』をお楽しみください。

 で、とりあえず言葉そのままの意味を考えると、自分は完全にこれに当てはまります。当たり前ですが、文章がうまい人/仕事ができる人/会話が上手な人……そういう人たちであればあるほど、基本の“き”を誰よりも大事にしていて、それが結果的にその人の強みであり個性になっていることは明らか。守・破・離の(守)を大事にしているからこそ、応用できて(破)、自分が確立できるように(離)なるわけです

 周りの目を引き付けるために使うのは飛び道具ではなく、基礎練習の徹底による内なる筋肉であることを再認識し、初心忘れずすべての物事に真摯に向き合っていきたいものです。(西)