先日、主婦と生活社の公式ホームページ内にある、採用ページを見返す機会がありました。そこには就活生や未来の後輩に向けて、社員たちが自分の仕事を紹介したり、就活のアドバイスをしたりするインタビューが掲載されています。

 全員の文章をフムフムしながら読み返して、「やはり諸先輩方は金言をたくさん持ってらっしゃるなあ」「後輩たちの熱意に刺激をもらったなあ」と、温かい気持ちになったのですが、中でも私の心に残ったのは、年次がひとつ上の、Y先輩のお言葉です。

 Y先輩はすでに編集長代理として文芸・コミック編集部を引っ張りながらも、偉そうにしているところを見たことがなく、いつもいい意味で“ゆるさ”が漂っています。この編集部を覗くと、真剣ながらも和やかな雰囲気を感じることが多いのですが、それもY先輩が醸し出す空気感があってのことかもしれません。

 そんなY先輩。インタビューの中では、「(仕事をするうえで大切にしていることは)無理をしないことです」と答えたあとに、こう続けています。《もちろん、手を抜けば思った通りのクオリティの仕事にならないのですが、自分の携わるものが“エンタメ”である以上、なんだかんだ「なんとなくニヤニヤしてられる」ぐらいの状態でないと、しかるべきアイデアも、言葉も、出てこないものです》。

 読んだ瞬間、私に足りないものは、これだ! と思いました。私は昔から、どちらかというと肩に力が入りすぎてしまうタイプ。ついつい完璧を求めて細かい部分にこだわりすぎてしまったり、企画やアイデアを言葉にする前に頭の中で考えすぎて、結局うまく形にできなかったり・・・。でも、編集者側がガチガチの状態では、読者がラフに楽しめるコンテンツってなかなか出てこないでしょうし、周囲も、とっつきづらくなってしまうだろうなと気づきました。

 だから、今後のモットーは、「一生懸命さは捨てないけれど、時には深呼吸して、リラックス」。今度Y先輩に会ったら、「すてきな教えをありがとうございました!」って、お伝えしようと思います。なんのこっちゃと、笑われそうですけれど。(横)