先日、結婚式に招待され、出席してきました。

 コロナが流行し、入籍はしたものの結婚式や披露宴を開かないカップルが増えたそうです。私も久しぶりのおめでたい席に高揚し、これまた何年かぶりに白いネクタイを結びました。

 従来、披露宴では「定番」があります。「3つの袋」のスピーチや友人らが歌う『てんとう虫のサンバ」とか、平成では『ハッピーサマーウェディング』。バブル時代には新婦を車や飛行機に例えた取扱説明書のような(下ネタ含みの)挨拶も流行りました。今ではコンプライアンス上、そんな挨拶をする人はいないでしょうが。コンプラといえば、挨拶の締めに「スピーチとご婦人方のスカートは短ければ短いほどよいと申しますので、私の挨拶もこのへんで……」なんて言う人も見なくなりました。というか本当にいたのか? って、思う人もいるでしょう。私は実際に1度だけ聴いた経験があります。

 今回の言葉はそんな披露宴の挨拶や祝電で使われる以外で聞く機会がほとんどない言葉かと思います。

 琴瑟相和(きんしつそうわ)と読みます。または琴瑟相和す(きんしつあいわす)などと使うこともあります。中国の古典「詩経」が出典だそう。大きな琴と普通の琴との音色が調和する様子から夫婦の仲が睦まじいさまを表す言葉になったとか

 新婚のふたりがいつまでも幸せでいることを祈りつつ……。(文)