強い意志をもち続け、物事を達成するまで変えないこと(goo辞書)を意味する磨穿鉄硯(ません てっけん)。響きだけ聞くと格闘コマンドの一種みたいですが、中国五代の桑維翰が、鉄の硯(すずり)がすり減るまで猛勉強を続け、科挙合格を成し遂げた故事が由来になっている言葉だそう。

 ちなみに石でできた硯は、中国において古くから工芸品としても愛された文房四宝のひとつとされています。中国故事で“石”が持つ意味合いにはさまざまな見解があるみたいですが

「雨だれ石を穿つ」
「石に漱ぎ流れに枕す」
「他山の石」

 など、硯の原材料である “石”をモチーフにした中国故事由来の言葉はいくつも存在します。石ひとつでも何かの学びにしようとする姿勢は、これだけモノがありふれた現代でも大切にしたい考えだと感じます。

 私事ですが最近引っ越しを控えており、新しい場所で生活を始める前に自分の今後を整理していたところでした。片づけをしていたら、当時座右の銘にしようと思っていた“磨穿鉄硯”のメモを発見……! まだまだ達成できていない事ばかりですが、今一度新しい環境で何かを始めたいところです(西)