6000人もの芸人を抱えている吉本興業。明石家さんまさん、ダウンタウンのふたり、落語家の桂文枝さんなどを擁する事務所です。その会長が大﨑洋氏。先日、『居場所。』(サンマーク出版)という著書を出しました。自身の来歴や吉本での仕事を通して考える「居場所」について軽やかなタッチで描かれてあります。

 その中に出てくる一節が今回の言葉です。

 大﨑さんは吉本へ入社したものの同期と比べるとパッとしなかったと振り返ります。それでも新人の彼を頼って相談に来る芸人さんもいて、大﨑さんはどんな相談にも全力で応えたそうです。

 以下、『居場所。』から引用。

《「できると認めて頼んでくれたから、精一杯こたえる」という繰り返しでできることが増えていく。やってみて喜ばれるとそのことが好きになっていく。「好きなことを仕事にする」というのはスタート時点で考えなくていいけれど、いろんなことをした結果として、「好きなことが仕事になる」というのはあると思います。》

 引用終わり。

 就職して「希望の部署に配属されなかった」、配属されたものの「思っていたのと全然違った」というのはよくあること。でも、どんな仕事でも一所懸命に取り組んでみてください。きっと道が開けるはず。少し時間がかかるかもしれないけど焦らずに……。

 そうそう、著書には本当にしんどくなったときの「避難場所」についても書かれてあります。別に宣伝を頼まれたわけではありませんが、ご興味があれば。(文)